
デスサイズ
第2章 Episode 2 痛み
一方…
鈴がベッドに入り、リンを心配していた頃、林は自宅で、1枚の封筒を緊張した表情で見つめていた。
封筒に記された差出人の名前は【林 千加子】。
(ち、千加子…)
家を出て行ってから音沙汰の無かった妻からの手紙。
大の大人であっても緊張してしまうものだ。
ゴクリ、と生唾を飲み込んで封筒を開き、中に入っていた紙を取り出す。
(もしかしたら、帰ってきてくれるのか?)
淡い希望を胸に、折り畳まれていた紙を広げる林。
「はぁ……………?」
林が紙に書かれていた“離婚届”という文字を理解する時間は長かった。
―何だコレ
―離婚届?
―つまり千加子は俺と別れたがっている?
―もう千加子には俺への愛が無いということか?
