テキストサイズ

デスサイズ

第2章 Episode 2 痛み




「さ、公園の中で自由に遊びや」


犬を連れた子供が1人しか居ない寂れた公園のベンチに座り、鈴がリンに言うが、リンは鈴の膝の上で丸まった。

どうやらリンは鈴の膝が心地好いようである。


「ホンマかわええなあ」

「お前、そればっかり言ってるな」

鈴の飼い主バカっぷりに呆れながら、黒斗も隣に腰かけた。


「だって、動物を飼うの夢やったもん。ペットショップは高くて、おかんに頼めへんかったし……このリンとはウチ、運命的なもんを感じるんや」


そう言ってリンを見つめる鈴の目は優しく、リンへの深い愛情を黒斗は感じられた。




「ネコちゃん可愛い」


いつの間にか近くに寄ってきていた幼い少女が、リンを見て声をかけてくる。

茶色いセミロングヘアーの少女であり、隣にはペットの茶色い毛並みのチワワが居た。

チワワはリードで繋がれており、手綱を少女がしっかりと両手で握っている。


「おおきにな! お嬢ちゃんのチワワも、かわええで!」

「ありがとう! この子、ココアっていうの。カナの誕生日に、ママとパパがプレゼントしてくれたんだ」

カナが頭を撫でると、ココアはどこか幸せそうな顔をした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ