
デスサイズ
第3章 Episode3 挫折
意識が戻った時には、玲二は病院のベッドの上に居た。
刺された玲二が意識を失った直後、幸運にも忘れ物を取りに来た講師が発見し、救急車を呼んでくれたのだ。
発見と処置が早かったお陰で、玲二は何とか一命をとりとめた。
だが玲二を刺した犯人は、捕まっていなかった。
現場に凶器の出刃包丁は残っていたが、指紋は検出されず、目撃者もなかった。
不幸は更に続いた。
玲二の見舞いに行く途中だった洋介が交通事故にあい、重傷を負った。
バス亭で立っていた時、突然後ろから誰かに突き飛ばされたのだと言う。
だが、事件現場のバス亭には大勢の人間が集まって人混みとなっていて、犯人を特定することは出来なかった。
更に洋介は事故で負った上半身へのダメージが深刻で、手術の際に両腕をやむなく切除されてしまった。
そして、最後に不幸にあったのは有理。
公衆トイレで、覆面をした人物に足を何度も刺され、襲われた。
現場には玲二の事件と同じく凶器の出刃包丁が残されていたが、やはり指紋も目撃者も無く、犯人は不明のままだ。
3人を立て続けに襲った不幸。
特に洋介は両腕を失い、将来の夢である画家になるのは絶望的だと誰もが思っていた。
