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第3章 Episode3 挫折





玲二は絵を描くことが大好きな子供だった。

クレヨンや鉛筆を1度握ったらなかなか離さず、落書き帳いっぱいに絵を描いてばかりいた。

小学生になってからもそれは変わらず、外で遊ぶよりも、絵を描くことを好んだ。


ある日、玲二がピクニックの思い出として描いた絵を見た父親は、こう言った。


「絵が大好きなら、絵画教室に通ってみるか?」

父親の提案に玲二は二つ返事で頷き、絵画教室に通うようになる。

絵画教室を楽しむ玲二だったが、のんびりやで泣き虫な性格のせいか他の生徒達からは、からかわれたり、いじめをよく受けていたりして、友達と呼べる者はいなかった。

両親に心配をかけたくないが為、黙って耐えていた玲二を救ったのが、同じく教室に通っている洋介と有理だった。



気の良い2人は直ぐに玲二と仲良くなり、これがきっかけに3人でつるむようになったのだ。



教室では勿論、外で遊ぶ時も、絵を描く時も、3人はいつも一緒だった。



夢のように楽しくて幸せな日々。


だが、そんな平穏な日常は“ある事件”によって破壊された。

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