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第3章 Episode3 挫折




「……ひっ、…グス……カナちゃん、いきなり泣いて堪忍な…」

「ううん。お姉ちゃんは大丈夫?」

心配するカナを安心させるように、頭を撫でてやる。

「大丈夫や…。何か、スッキリしたわ。悲しい気持ちは消えへんけど……リンの分まで生きようって、頑張らなアカンって…そんな気持ちになれてきたわ」

泣き腫らした瞼が痛むが、鈴が浮かべる笑顔は本物だった。

「ほな、ウチ帰るわ。カナちゃん、またな!」

「うん! バイバイ!」

手を振って、カナと別れる。



(……リン。ずっと忘れへんからな。安らかに眠ってや)

心の中で愛猫に祈りを捧げ、しっかりとした足取りで鈴は帰路につくのだった。

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