
私の彼は****が好き
第17章 タケルの家で…………
*
停留所でバスを降りて、歩くこと五分。
なんか緊張してきたな……っ。
タケルの家族ってどんなだろう??
弟がいるって聞いたけど……。
今さら思い出したようにドキドキしながら歩いてると、ひなびた旅館が見えてきた。
「着いたよ、ここ。ウチ。……ほんと期待しないでね?女の子が喜ぶようなところじゃないから……」
タケルは謙遜してそう言ったけど、なかなかレトロで素敵な旅館だった。
決して豪華ではないものの、歴史を感じるモダンな作り。隠れ家的なおもむきがある。
「大人の隠れ家って感じだね!セレブな社長が愛人とこっそり不倫旅行に来そうなところだね!」
外観を見て思った感想を言うと、タケルはブッと吹いた。
「まぁそう言われると、そんな"ワケアリ"っぽい客ばっかかも……」
