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The man suitable for me

第1章 逢瀬

「手はどうなっているの?見せて。」

私は自分の右手を、彼の前に出す。

指と指の間が滴るほど濡れている。

「こんなにして、ダメな子だね。」

彼の言葉が、私の中を貫いていく。

意地悪く笑っている彼の方から、目をそらすように、下を向いた。

ホテルに着いて、中に入ると、彼が素早く部屋番号を押して、エレベーターのボタンを押した。

私はエレベーターの前に立つと、コートの後ろ側を少しまくって、彼のものを入れやすいようにした。

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