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The man suitable for me

第1章 逢瀬

改札を出て、少し小走りで歩いていく。

顔を上げるのが恥ずかしくて、ほとんど下ばかり見ている。

メガネをかけて、下を向いているので、バランスが悪く、こけそうになる。

そして、彼との待ち合わせ場所の、コンビニへ向かう。

すれ違う人たちが、何を思っているか、わからない。

私のことに、気付いているかもしれない。

人とすれ違うたびに、そう思って、ドキドキする。

すれ違う人たちの話し声が、聞こえるのが怖いので、いつも音楽を聴きながら、彼に会いに行っている。

ハードロックのリズムに合わせて、早足で歩く。

ベースのメロディアスな響きが、印象的なこの曲。

まるで、自分のようだと、親近感を感じた。

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