
スキをちょうだい。
第7章 特別なひと
彼は自ら、環の唇を、舌を求めた。
心臓が早く打ち、呼吸が短く乱れる。
身体を駆け抜ける快感は、いつも以上に、航太を反応させた。
それは、環にも伝染して、濡れた声で名前を呼ばれる。
「こうた…‥」
だ液が糸を引くのも構わないまま、環は航太の体にキスをしていく。
無理矢理につけられた蹂躙のキズを、自らのシルシで上書きするように。
航太は、彼になされるがままでいた。
愛されているということが、とても心地よかった。
汚されてしまった自分を、まだ愛してくれる。
それは逆に、相手を愛していいということでもあった。
二人の間に、もう壁はない。
「きもちくなろうか、航太」
航太は肯いた。
そして、環に誘導されるがまま、座る彼の上に跨がった。
ズルズルと、奥まで入ってくる感覚があったが、何の抵抗もなかった。
「俺のことだけ考えて。俺でいっぱいになって」
背後からの甘い囁きに、航太はキスで返した。
