
スキをちょうだい。
第2章 こうかい
『その日』、オレは君の部屋にいた。
適当にダラダラしていると、君がケイタイをみせてきた。
画面には、クラスのマドンナと大人気の女子、藤吉梨恵からきたメール文が映されており、その内容は完全な告白だった。
「どうしよう」
真剣に相談してきた君をオレは何だかいじめたくなってしまって。
「どうしようって」
この後、どうなるなんて考えもしないで言ってしまった。
「付き合ったら? オレ達、別に付き合ってないじゃん」
少しの間があって、君は軽く頷いた。
「じゃあ、返事するね」
ほんの出来心だった。
嫌だよって言ってほしかった。
そんなこと言わないでって、言ってほしかっただけなんだ。
でも、もうどうしようもなくて。
やっぱりダメだなんて言えなくて。
だからオレは苦し紛れに君に言った。
「でも今の関係は続けよう」
こうして『運命』は変わった。
オレは君の中で友達以上恋人未満の存在になった。
それでもいい、なんて言ってるけれど、本当はーーものすごく後悔している。
