エスキス アムール
第62章 離れない離さない
「……あ…っふ…ああ…」
なんとか持ちこたえていたものの、彼の意識は朦朧としてきていた。
もう少しで、飛ぶだろうなと思うのに、やめられない。
「…波留くん…?」
「…ふ……ぁ…」
先程まで開いていた瞼が閉じている。
もう、限界かな。
汗だくの顔を撫で、額にキスを落とす。
「…ぁ…っ」
ゆっくりと、そおっと波留くんの中から自分のモノを引き抜く。
自分の顔から顎に滑り落ちた汗が、波留くんの顔に落ちたとき、
「…だ、め…っ」
彼が僕のものをギュッと締め付けた。
消え入りそうな声に、ズズっと引き抜こうとていた身体とめて、彼の瞳を見た。
「どうした…?」
「…いや…っダメ…」
波留くんは締め付けたまま、いやしか言わない。
ふるふると顔を横に振って、涙で瞳を潤ませた。
「何が嫌なの?言ってごらん」
彼の頬を撫でながら、そう言うと、色の含んだ瞳で、僕を見つめてくる。
少しの間、僕を見つめた後そろりと僕の腰に手を伸ばして言う。
「ダメ…抜かないで…まだ…っ」
「ーーーっ」
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