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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

こ、こいつ――――家に上がり込んだだけじゃなく、『既成事実』まで作ろうとしているわね!

そう簡単に、あんたの思い通りになんかさせてたまるかぁ!


私の聖域で清水の思うようにさせまいと、抵抗を試みる。


「やだぁ~! それは大学の仲良しグループの中だから気軽に呼べるんじゃん!」


仲良しグループなんてないけどね!

清水の思惑を邪魔するためなら、私は鬼にでも悪魔にでもなってやる!


ただの呼び捨てだけで、ホラーにまで発展していきそうになる。


今度は私が清水にドヤ顔を見せてやると、清水は眉を少し上げて口元に笑みを浮かべた。


くぅ~。これくらいでへこたれる奴じゃない、またあらたな攻撃を仕掛けくるかもしれない。


でも、絶対に負けやしないんだから!


――――と意気込んだタイミングで、ママがお菓子を持ってきた。


「これね~先日風香が買ってきたのよ。良かったら食べてね!」

「あ……」
「なっ!」


ママが清水に勧めてきたお菓子は、先日水族館で買ってきたおかきだった――――。


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