
ふぁざー × こんぷれっくす
第5章 ファスシネイション
これでまた後々嫌味を言ってくるんだろうなと思うと、否応なしに重たい溜息を吐きが出てしまう。
レンジから保存袋の中で蒸されたお絞りを取り出し、専用トレーに載せて清水に持っていく。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。それより風香、念のため手を冷やした方が良いよ」
お手拭きを受け取った清水は、素直にお礼を言っただけじゃなく、さも私のことを心配している素振りまでしてきた。
「はぁ~!?」
余りにもキャラが違う清水に、思わず苛立ちの声が出てしまった。
どの面下げて、そんなこと言ってんのよ!
あんた一昨日、私に何したか覚えてんの!?
部屋に連れ込んで、経験がない私にあ~んなことや、こ~んなことしといて、なに紳士ぶってんのよぉぉぉ!
――――って、怒鳴ってやりたいけど、ママの前でそんなこと言えるわけがなくて、ググっと怒りを飲み込んでなんとか堪える。
だが発してしまった第一声は、取り消しが利かない。
「風香! なんて声出してんのよ。清水くんは、心配してくれて言ってくれたのに!」
清水の態度が猿芝居だと知らないママは、すっかり騙されてしまっている。
レンジから保存袋の中で蒸されたお絞りを取り出し、専用トレーに載せて清水に持っていく。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。それより風香、念のため手を冷やした方が良いよ」
お手拭きを受け取った清水は、素直にお礼を言っただけじゃなく、さも私のことを心配している素振りまでしてきた。
「はぁ~!?」
余りにもキャラが違う清水に、思わず苛立ちの声が出てしまった。
どの面下げて、そんなこと言ってんのよ!
あんた一昨日、私に何したか覚えてんの!?
部屋に連れ込んで、経験がない私にあ~んなことや、こ~んなことしといて、なに紳士ぶってんのよぉぉぉ!
――――って、怒鳴ってやりたいけど、ママの前でそんなこと言えるわけがなくて、ググっと怒りを飲み込んでなんとか堪える。
だが発してしまった第一声は、取り消しが利かない。
「風香! なんて声出してんのよ。清水くんは、心配してくれて言ってくれたのに!」
清水の態度が猿芝居だと知らないママは、すっかり騙されてしまっている。
