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ふぁざー × こんぷれっくす

第5章 ファスシネイション

な、何よ!?
その意味深な言い方!
その笑い方!!

てかママも、パパのこと話題に出さなくてもいいじゃないの~!


パパのこと大好きな私が、過剰反応するの解っている癖に――――。


物凄く胸の中がザワザワしてきた時――――チン!


レンジの間抜けな音が、突っ込みを入れていた。


「何よっ!」


思わずムキになってレンジに向かって叫んでしまうと、ママがニッコリと微笑んだ。


「風香、お絞り出来たから清水くんに渡してあげて」


どうやら突っ込みの元は、ママがお絞りを用意していたからだった。


こういう気遣いはパパもママも卒がない。

自慢の両親だが自分と比べられそうで、ちょっと卑屈になってしまう時もあるんだよね。


清水の手前だからか、今日は余計にその気持ちが強くなる。


「はい……」

「熱いから気を付けてね」

「うん……熱っ!」

「もう言った矢先に~! 早く手を冷やしなさい。そっちは私がやるから」

「だ、大丈夫! ちょっと触れただけだから!」

「そう? 本当に気を付けてね」

「……はい」


早速、カッコ悪いところを清水に見られてしまった。


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