 
いつか手をつないで歩こう
第14章 それでも
ふわっと、
私の身体が抱き起こされた。
これは夢?現実?
誰かの胸に顔が埋まった。
「…っ」
私をきつく抱きしめるこの腕は。
この温かな胸は。
この香りは。
ぼんやりした意識の中で、見上げたそこに。
そこには…。
愛しくてたまらない人の
「…こう…すけ」
笑顔があった。
「ごめん、心配させたよな」
「…グスッ…う、ばかぁ、浩輔のばかっ!すごく…すごく会いたかったん…だからね…」
「ほんとにごめん美雪。俺が悪かったよ」
私は浩輔を力いっぱい抱きしめた。
「お願いだから…ずっと私の傍にいて…」
「ああ、約束する。もう二度とどこへも行かないから」
「ううぅ…ヒック…」
浩輔
浩輔
あなたさえいれば何もいらないよ……。
 
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