 
いつか手をつないで歩こう
第7章 二人の間で
すると前野さんは笑って言った。
「そんなに緊張しなくていいよ。
ここの店ね、おいしいって評判だから一度来てみたかったんだ」
私は頷いて聞いた。
「失礼いたします」
着物を着た店員さんが、お肉とつけだれを運んできて、私達にお料理の簡単な説明をしていった。
「さっ、どうぞ」
「はい。いただきます…」
私はお肉をお湯にくぐらせ、ゴマだれにつけて食べてみた。
柔らかくてすごくおいしい…。
「あ、おいしいね」
「はい、とっても」
私と前野さんは、目を見合わせて同じ気持ちだった。
なんだか不思議な感じ…。
だって、浩輔以外の男の人と食事をするのは、初めてだから。
 
 作品トップ
作品トップ 目次
目次 作者トップ
作者トップ レビューを見る
レビューを見る ファンになる
ファンになる 本棚へ入れる
本棚へ入れる 拍手する
拍手する 友達に教える
友達に教える