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暗闇で恋しましょう

第33章 だから、きっと、この涙は

だがしかし、そんなことばかり気にしてられないのも事実。


だって、“観覧車”に乗ってしまったんだから。


乗るまでにあった会話は、乗ってからぴたりとなくなってしまった。


ひぃちゃんのトラウマそのものと言っても過言ではないこの場所。


なんて声をかけたらいいかも正直分からない。


分からないけど、このシーンっとした感じが弱る心にまたダメージをかける気がしてならない。


なんでもいい。


取り敢えず、口を開け。


私。


しっかりひぃちゃんを見据えて声を掛けるんだ。



よし………3、2、1………

ていやぁ!



「っ………」



勢いを付け、カッと目を見開き、ひぃちゃんを見て、見えた、もの、は………

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