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暗闇で恋しましょう

第12章 1つ、また、1つ 嫌な、こと

大丈夫。焦らないで。


私はすぐ、あなたの腕の中。


包まれて健やかに眠るから。



あと少しだけ待っていて。布団ちゃん



ふらふら揺れながらも、着実に布団へと歩を進める。


1歩、あと1歩。


なんて数える間もなくあっという間に、あとは倒れるだけの距離になった。


そこまで来てしまえば、迷う事などないに等しい。


ゆっくりと身を布団へと投げる。


ぼふんと音を鳴らし、柔らかい感触と温もりが私を包む。


そのまま目を閉じればすぐに夢の中だろうけど、布団は体の下に敷くものではない。


体の上に掛け、全てを包む、そんな存在なのだ。


だから、まだ私は眠ってはいけない。


カッと目を見開き、最後の力を振り絞る。


なんとか布団を体に掛けようと奮闘している際、ふと目に付いた部屋の全貌。




『今日、1人だからな』




そんなひぃちゃんの声が頭に響く。



「……………」



1人……1人……1人かぁ……



なんだか、急に、自覚する。

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