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言葉で聞かせて

第5章 再発

「……え!?……」


悠史は突然の俺の告白に戸惑っていた

けど、一番戸惑っているのは俺自身だった


俺も、千秋のことが好き?
なんでそんなこと言ったんだ!?俺!?


「さっき僕も言われたけど……男、だよ?」
「……あぁ……」
「千秋さんが好きになってくれる確率すごく低いよ?」
「…………あぁ……」


同じこと言われて、何故か胸の中が焼けたように痛んだ


先越されて、悔しい
みたいな


そうか

俺、悠史に千秋を取られたくないのか


完全に俺、惚れてるじゃん



「それでも俺、千秋のこと好きなんだ」


俺がそう言うと、悠史は考え込むように黙った


「そっ……か……」
「?」


そして暫く考えた結果悠史の口からはこんな言葉が出てきた


「そしたら僕、諦めるしかないか……」
「!?」


俺はさっきの取られなくないとか、先越されたとか考えてた時の数倍苛ついた

俺は勢いよく立ち上がり悠史に近づくと、胸ぐらを掴んで立たせた


「諦める!?ふざけたこと言ってんじゃねぇよ!!!お前さっきそれでも千秋のこと好きだって言ったんじゃねぇのか!?!?」


辺りがびりびりと振動するほどの大声で俺は叫んだ

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