テキストサイズ

言葉で聞かせて

第10章 再来


遠くから追いかけていると、千秋はマンションの一室に入らされた


「悠史!」
「大丈夫。部屋覚えた」


二人で走って階段を上る


スパイしてたっつーことか、あの女!!
今度は悠史に何て言われてもぶん殴る


俺はマンションのドアを思いっきり開けた

入ったばかりだったからかまだ鍵のかかっていなかったドアは壊れんばかりの力で開かれて変な音を立てる


「きゃっ、なに!?」


廊下を真っ直ぐ進んだ先にあったリビングにはさっきの女と数人の男

その内の一人が千秋の服を脱がしにかかっていて、よく見れば千秋の頬が真っ赤になっていた


おい
千秋に手出したのか


俺は頭が真っ白になっていくのを感じた


「敦史!!」


悠史の声が遠くに聞こえる

俺は土足のまま家の中に入り千秋のシャツに手をかけていた男の髪の毛を思い切り掴んだ

何本か髪の毛の抜ける感触と「痛っ……」と男が呻く声が聞こえる


「っざけてんじゃねぇよ!!!!」


力一杯握った拳で思い切り顔面をぶん殴る


許さねぇ
許さねぇ

お前今何しようとしてた?
なぁ

教えてくれよ


「おい、何してくれんだよ!」


そう言って俺の肩を掴んだのは目の前で俺に数発の拳を食らって転がるこいつの仲間

ストーリーメニュー

TOPTOPへ