
言葉で聞かせて
第10章 再来
「……開けるぞ」
「……」
悠史も注目する中封筒を開けると、中には紙が数枚入っていた
それを取り出してみると一番上の紙に
『どうなってもいいのか』
と書かれている
「なんだ?これ」
「わかんないけど、これが初めての手紙じゃないみたいだね。ってことはやっぱり千秋さん宛だったのか」
「まぁ、昼間に入れりゃ俺たちは休みでも最近は家にいなかったしな」
文字の書かれた紙の次は写真で、その写真が
「「!!」」
俺たちの写真だった
いかにも盗撮、という雰囲気の写真は俺たちが店の出口まで客を見送っているところだ
「……確定だな」
「一体誰が……」
「あいつの携帯ねぇのか」
「ぇ、と……ある!事故にあった時に持ってた鞄と一緒に受け取った!」
悠史は立ち上がると自分の部屋に戻って千秋の鞄を持ってきた
「携帯、携帯……あった、これだ」
「手紙で来てるっつーことはメールの可能性低いんだが、昨日一日千秋が何にも出来なかったから相手が怒ってるっつーこともある。一応見るぞ」
「プライバシーだから心苦しいけど、仕方ないよね……」
パスワードでロックされていなかった携帯を操作してメール画面を開く
受信ボックスには大量のメール
ほとんどが俺たちか担当の名前なのに対し、一番上のメールだけが俺たちが知らない名前からのものだった
