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言葉で聞かせて

第9章 鳴き声、泣き声


千秋さんもともとそこまで性欲に従順じゃないよね?
僕らと交際を始めてからこんな風になったことないし

何か他の考えがあるのかな


「千秋さん」
「はい……」
「不安があるなら言ってください。1人で悩まないで」


頭を引き寄せてキスをすると、千秋さんの目から大粒の涙が溢れた


「だ、って……ぇ」
「……」


泣き出してしまった千秋さんを、僕は上体を起こして抱きしめる

縋るように抱き締め返してきた千秋さんが可愛くて、愛しくて堪らない


「僕、のこと……なん、か……好きじゃ、な、い……んじゃ……ないか、と……思っ……」


僕の服に顔を埋めているからくぐもった声の千秋さんは


『僕のことなんか好きじゃないんじゃないかと思って』?


と言った

僕は思わず笑みをこぼす


「ふふっ……」
「!」


あぁやっぱり
なんて愛しいんだろう


僕が千秋さんを抱え直すために揺らした時、こちらを見上げた顔が可愛くてキスをする


「千秋さん。そんな面白い冗談どこで思いついたんですか?」
「ふ、ぇ……?」


ちゅ、ちゅ、と顔中にキスを降らせると擽ったそうに身をよじるけれど、それも許さないほど強く抱きしめた

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