
秘密の兄妹
第16章 壊れかけの心
紫織は目を閉じると、すうっと一筋の涙を流した。
「…お兄ちゃん、迷惑かけてごめんね……」
俺は紫織の頭を撫でる。
「お前が謝らなくていい…
お前は何も悪くない…」
悪いのはすべて俺だ…
紫織の心も体も傷つけた……
でも、紫織…
これだけは分かってほしい
俺はお前を悲しませたかったわけじゃない…
ただ、俺は…
お前が欲しかっただけなんだ……
何人もの女と繰返しヤっては
その全ての女たちとお前の顔を重ねて抱いてた
決して愛してはいけない子を
俺が愛してしまったから…
実の妹を
俺が愛してしまったから…
手に入らないと分かっていても
たまらなく欲しかった……
紫織…
お前のことが欲しかった
だけど
やっとお前を手に入れた今
心に宿るのは悲しみばかり…
俺はお前を幸せにできない
俺はお前を
傷つけることしかできない…
