
秘密の兄妹
第15章 美加の復讐
くすっ…
何か分からないけど、アキラたち、うまくやってくれたみたい……
美加は膝をついて体育倉庫の前で項垂れる悠人の姿を見て、楽しそうに笑う。
いい気味…
美加は弾んだ気持ちで、その場を去ろうとする。
「…待て…美加……」
悠人は立ち上がり美加の名前を呼ぶと、美加の手を引っ張り、体育倉庫の壁に美加の体を叩きつけた。
「痛っ!!!!」
悠人はそのまま美加の首を片手で締め上げる。
「…か…はっ…く、苦しっ…」
「美加…外から鍵をかけたってことは、体育倉庫の鍵はお前が持ってんだろ……出せ!!!!」
「…ゆ、悠人…苦しっ…やめてっ…」
美加が苦悶の表情を見せて、悠人に訴える。
「やめない…」
悠人は美加の首を締める手に力を込める。
周りの女たちは、その様子を見て、悠人のことを止める。
「悠人!そんなにきつく首締めたら美加、死んじゃうよ!!やめなよ!!」
「そうよ!!全部自分がまいた種でこうなったんでしょ!?もう諦めて離して!!」
「無理だね。紫織にもし何かあったら俺は美加を殺す。お前らも順番にあの世行きだ。俺は絶対にお前らを許さない……」
悠人は冷えきった目で、その場にいる全員を睨みつける。
「…ゆ、悠人…こ、殺すなんて冗談…やめて…手……離してっ…」
美加は少し怯えながら、悠人の顔を見る。
悠人は顔色を変えずに、美加の首を更に締め上げる。
「くっ…」
美加の体が体育倉庫の壁に叩きつけられたまま、宙に浮く。
