
20年 あなたと歩いた時間
第2章 16歳
流星。
私達は、まだ子どもだから
大人の都合で振り回されるのは
仕方がないね。
普段は冷静で周りをよく見ていて、
優等生の流星でも
太刀打ちできない環境の変化が、
あなたを変えようとしていた。
まだそれに対応できるほどの経験値が、
あの頃の私達にはなかった。
いつも凛とした強さと、冷静さと、
そして無言の優しさを当たり前のように
あなたから感じていた。
でもあの日の放課後、
集まったいつもの公園のベンチで、
前よりもずっと広くなった背中を震わせて、
すすり泣いていたあなたを、
私は初めていとおしいと思ったの。
あんなに大好きだったのに、
走ることもやめてしまったね。
もう、あなたは全てのことに対して
心を閉ざしてしまったのかと思った。
だって、まだたったの十四歳だったんだよ。
私達は、四人で手を握りあうだけで、
その肩にのしかかる形なき重りを
取り除いてあげることはできなかった。
それは初めてあなたが経験した
壁だったのかも知れない。
自分で超えるしかない、壁。
それを一生懸命超えたあなたは、
驚くほど大人になった。
少しずつ壊した壁を、
あなたは全部自分の力に変えてしまった。
決して後ろは振り返らない、
それどころか、足元さえも見ずに
ひたすら前に進み続けた。
そんなあなたが私にとって誰よりも
大切でかけがえのない人になっていくことに
、
この時の私は気づいていなかったんだ。
流星。
それは、漆黒の闇を駆け抜ける一筋の光…。
あれから二年の月日が流れ、
私達は高校一年生になった。
私達は、まだ子どもだから
大人の都合で振り回されるのは
仕方がないね。
普段は冷静で周りをよく見ていて、
優等生の流星でも
太刀打ちできない環境の変化が、
あなたを変えようとしていた。
まだそれに対応できるほどの経験値が、
あの頃の私達にはなかった。
いつも凛とした強さと、冷静さと、
そして無言の優しさを当たり前のように
あなたから感じていた。
でもあの日の放課後、
集まったいつもの公園のベンチで、
前よりもずっと広くなった背中を震わせて、
すすり泣いていたあなたを、
私は初めていとおしいと思ったの。
あんなに大好きだったのに、
走ることもやめてしまったね。
もう、あなたは全てのことに対して
心を閉ざしてしまったのかと思った。
だって、まだたったの十四歳だったんだよ。
私達は、四人で手を握りあうだけで、
その肩にのしかかる形なき重りを
取り除いてあげることはできなかった。
それは初めてあなたが経験した
壁だったのかも知れない。
自分で超えるしかない、壁。
それを一生懸命超えたあなたは、
驚くほど大人になった。
少しずつ壊した壁を、
あなたは全部自分の力に変えてしまった。
決して後ろは振り返らない、
それどころか、足元さえも見ずに
ひたすら前に進み続けた。
そんなあなたが私にとって誰よりも
大切でかけがえのない人になっていくことに
、
この時の私は気づいていなかったんだ。
流星。
それは、漆黒の闇を駆け抜ける一筋の光…。
あれから二年の月日が流れ、
私達は高校一年生になった。
