
20年 あなたと歩いた時間
第12章 君が生きた日々
「今年もあと1週間かあ。早いね」
「んー…早い」
僕とのぞみは、塾に行ってない者同士一緒に
勉強していた。
のぞみは苦手な英語の長文を、
僕はベッドに寝転んで単語を覚えている。
「なんで、勉強なんかするのかな」
「何だ、その愚問は」
僕はおかしくて笑った。
「だって、この長文が解けたからって、日本にいて役に立つの?」
「…勉強する意味がわからないうちは、そんなことを疑問に思う資格はないんじゃないか?」
僕は単語帳をめくりながら答えた。
我ながらひどい答え方だと思ったが、
いつも僕が考えていることだ。
僕はいま、何もかもが途中なんだ。
だから直面する全てに、
まっすぐ向かっていくしかない。
つまづいたら、ひとつずつ越えていくしか
ない。
それが全部、自分の力になるはずだ。
「そっか…疑問に思うことが、まだまだなんだ。流星は自分に厳しいよね。なんで?なんで自分のこと自分で優しくしてあげないの?」
珍しく、のぞみがつっかかってきた。
「おれ、自分に厳しいかな?」
「すごーくね」
間髪入れずにのぞみはそう答えて、
ペットボトルのお茶を飲んだ。
自分から振っておいて、もうこの話は
終わらせたいみたいなオーラを出している。
それでも僕はまだ言い足りなくて
もやもやしている。
「他人に厳しくされたら、傷つかないか?けど、自分だったら…一緒に頑張ろうって思うんだ。自分の中の、自分と…ごめん、おかしなこと言ってるよな」
「流星、いつもそういうふうに思ってるんだ…私ね、」
のぞみはシャーペンを置いて僕の方を向いた。
思わず僕も起き上がって正座してしまう。
「私が優しくしてあげる」
「んー…早い」
僕とのぞみは、塾に行ってない者同士一緒に
勉強していた。
のぞみは苦手な英語の長文を、
僕はベッドに寝転んで単語を覚えている。
「なんで、勉強なんかするのかな」
「何だ、その愚問は」
僕はおかしくて笑った。
「だって、この長文が解けたからって、日本にいて役に立つの?」
「…勉強する意味がわからないうちは、そんなことを疑問に思う資格はないんじゃないか?」
僕は単語帳をめくりながら答えた。
我ながらひどい答え方だと思ったが、
いつも僕が考えていることだ。
僕はいま、何もかもが途中なんだ。
だから直面する全てに、
まっすぐ向かっていくしかない。
つまづいたら、ひとつずつ越えていくしか
ない。
それが全部、自分の力になるはずだ。
「そっか…疑問に思うことが、まだまだなんだ。流星は自分に厳しいよね。なんで?なんで自分のこと自分で優しくしてあげないの?」
珍しく、のぞみがつっかかってきた。
「おれ、自分に厳しいかな?」
「すごーくね」
間髪入れずにのぞみはそう答えて、
ペットボトルのお茶を飲んだ。
自分から振っておいて、もうこの話は
終わらせたいみたいなオーラを出している。
それでも僕はまだ言い足りなくて
もやもやしている。
「他人に厳しくされたら、傷つかないか?けど、自分だったら…一緒に頑張ろうって思うんだ。自分の中の、自分と…ごめん、おかしなこと言ってるよな」
「流星、いつもそういうふうに思ってるんだ…私ね、」
のぞみはシャーペンを置いて僕の方を向いた。
思わず僕も起き上がって正座してしまう。
「私が優しくしてあげる」
