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齧りかけの林檎

第19章 ● 贈り物を君に ♂side




「香澄か?危ないから早く帰れよ。

 もう暗くなってんぞ」



「歩のこと待ってたの」



「なに?おれ行くとこあるから」





さっきあんなに思いっきり目を逸らせたくせに、

おれのこと待ってた?





「もう足、大丈夫?」



「あぁ、まだ少し痛いけど平気」



「そう、よかった。

 あの、歩きながら話していい?」



「少しだけなら」




早くゆりさんの家に行きたかったけど、

この前傷つけてしまった後ろめたさから

そう言ってしまった。




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