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齧りかけの林檎

第12章 ● 君とお鍋 ♂side




オカンの手伝いなんてしたことないくせに、

なんか彼女の前でかっこつけたくなってしまった。




彼女は少し悩んだような顔をすると、


「じゃあ、大根おろし作ってもらっていい?」

と言いながら

もらってきたという大根の皮を剥いて、

何個かに切り分けた。




「大根おろしやったことある?

 手、気をつけてね」

と言いながら、

道具を用意してくれた。




本当はやったことなんてないけど

「それくらいやったことあるし」

なんて言ってしまった。




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