
齧りかけの林檎
第12章 ● 君とお鍋 ♂side
「あとはお肉買って、なんか飲み物でも買って帰ろうか」
彼女は薄くスライスされた豚肉のパックを、
悩まずにさっとカゴに入れると、
こっちこっちーと言って
飲み物のコーナーに向かった。
「歩くん何飲む?」
「おれ三ツ矢サイダー。ゆりさんは?お酒いいの?」
「お酒ねー・・・」
あれ?お酒飲めるって言ってたよね?
兄貴なんて、毎週飲んで帰ってきては
次の日グッタリして
復活したら、夜になってまた飲みに行ってるから
大人ってそういうもんだと思ってたんだけど。
「歩くんいるのに、年齢確認されるとか
かっこわるいから
今日は、いい」
なにそれ、
かわいいんですけど・・・。
