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A heart and wound

第6章 揺らぎ

和「大野さん、やめなさいって。そんな言い方。

…相葉さんも。
…そんな安い挑発に乗ってたんじゃ、言われても仕方ないよ。」

そう言うと、少し落ち着きを取り戻した相葉さんは、肩に置かれた俺の手を払った。

雅「…分かったよ。

だけど、翔ちゃんに1度会わせてもらえないかな⁇

様子…おかしかったから、心配で。」

智「今は会わない方がいいんじゃなーい?」

またややこしくしようとして…

案の定、相葉さんの眉毛が少しピクッと動いた。

雅「リーダー…なんか、知ってんの?」

そのリーダーをキッと睨んで、相葉さんを見た。

和「…翔さん、仕事で疲れてたのか、ちょっと体調悪いみたいだけど、とりあえず仕事出来てたから、大丈夫だと思うよ?

…だから、今日はまだ忙しそうだし、明日顔見に行ってあげたら?

とりあえず、俺戻るね。」

そう言うと、俺の荷物と翔さんの荷物を掴んで、逃げるように楽屋を出た。

…出る前に、何が言いたそうにしている潤と目が合って、少し気になったけれど、今は翔さんのことが先決。

頭から、それを追い払って、翔さんの待つ部屋へと向かった。

部屋の前に着き、入ろうとすると…中から、鼻をすする声が聞こえた。

そっと中に入ると、

慌てて涙を拭う、翔さん。

翔「あははっ…ごめんごめん。
…もー…嫌になっちゃうね、いい年なのにこんなことで泣いちゃうとか…」

無理して涙を堪えて、笑ってる翔さんを見て、胸が苦しくなった。

急いで翔さんの元に駆け寄ると、彼をぎゅっと抱きしめた。

翔「…にの、大丈夫だから…」

和「大丈夫じゃないから、涙が出るんでしょう?

それにこんなこと、なんかじゃないよ。
すごくしんどいことだと思う。
…俺は翔さんじゃないから分かんないけどさ。

でも…1人で泣かないでよ。
無理して笑わないで。

相葉さんに言うのが難しいなら、俺が支えるから、こういう時は、もっと頼ってよ。」

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