
妖魔滅伝・団右衛門!
第5章 悠久と団右衛門
自重で根元まで悠久をくわえ込むと、八千代――否、八千代の姿をした淫らな獣は、頬を染め腰を振りたくる。自ら求め動きながら、悠久に訊ねた。
「どうやって、あの退魔師を葬るつもりだ」
「京の妖魔に声を掛けた。勝てなくても良い、しばし退魔師と嘉明を分断してくれと」
「了承など得られるのか?」
「儂を何だと思っている。おそらく今、この世界で一番強い鬼は儂よ。逆らう者など、いるはずがない」
悠久が一際強く突き上げると、八千代は涎を垂らし歓声を上げる。それに気を良くした悠久は、八千代の腰を掴み上下に動かした。
「妖魔が足止めしている間、儂は別の妖魔と共に嘉明を奪う。そして『八千代』には、あの退魔師も信頼し油断しているだろう? 八千代は退魔師につき、隙を見て殺せ。もちろんこれは、八千代が儂と嘉明を共有すると認めなければ使えぬ手だがな」
悠久は八千代の表情を見るが、八千代は感じる一方嫌悪を滲ませている。
「……儂が気に入らぬなら、嘉明を手に入れた後、隙を見て殺せ。それで嘉明は、八千代一人のものになる」
すると激しく揺さぶる体が不意に止まり、八千代の体に響く快楽が止まった。
