
男子寮
第15章 利央×快斗 欲しいのは…
「なんで留学しない?」
「お前が行けよ」
どいつもこいつも…、
そんなに俺は邪魔ですか?
「俺は会社を継がない」
「奇遇だな、俺もだよ」
継ぐかよ、
「はぁ?それ親父には?」
「言ったらキレた。」
「当たり前だろ…」
「なんで俺が継ぐわけ?」
「有能だから?」
なんだそれ…。
あー、なんか一気にイライラしてきた…。
ふと時計を見ると、針は3時45分を指していた。
サッカー始まってる…。
「留学はチャンスだろ?」
「先方と交流できるしね。」
「じゃあなんで?」
「なんで?こっちの台詞…」
だいたい、てめぇが無能なせいで俺がこんな目なあってるんだよ。
ふざけるな。
出てきた言葉を、俺は静かに飲み込む。
