無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

てっきり上條くんも同席してくれると思ってた私にとっては思ってもいない状況。


解れた緊張は倍になってぶり返す。


あわあわとしているとクスッと笑いが漏れる音。


「彼、面白いな」


呟かれた声は当時のまま低く私に伸し掛る。


「.......久し振りだな。暁」

「........えぇ.....久し振り......匠真(たくま)」


もう何年も呼んでいなかった名前を呼ぶ声は震えていたかもしれない。


「......立ち話もなんだし、予約してあるところがあるからそこ行こう」

「........はい」


私は昔の癖で匠真の隣ではなく匠真の3歩後ろを歩いた。