テキストサイズ

監視 ~愛~

第1章 気になる存在から恋へ

「手厳しいな」
 葉月は悲しそうな顔をした。
 それでも、俺は葉月を責めることをやめられなかった。
「そうか?事実だろ」
 俺はあの日から、田中先生が笑った顔を見たことがない。
 文化祭の打ち上げでも務めてニコニコと微笑んでいたけど、どこか寂しそうだった。
「・・・いつでも、別れられるような割り切った関係だけのつもりだったんだ」
 無責任な言葉に怒りを覚える。
「それは、違うだろ」
 口にしなくても、葉月はそのことをわかっている。
 そのことに気がついていても、責められずにはいられない。
「割り切った関係の相手なら、あの椎葉智則がわざわざここにくるわけないだろ」
 田中先生のこともあんなに傷つけておいて、割り切った関係?
 よく言うよな!
「お前が本気にさせたんだろ」
 お前は何人もの人を司の代用品にしたんだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ