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「まぁ・・・な」
　照れ笑いかと思ったが、幸せラブラブなはずなのに、どこか葉月の表情はくらかった。
「何か、気がかりなことがあるのか？」
　葉月の不調は、司にも及ぶ。
　今の俺には、司と・・・どうにかなりたいなんて気持ちはない。でも、気がかりだ。
「ただ・・・不安なんだ」
「不安？」
　両思いになって、身体も繋げて、何が不安？
「いつか、司に愛想尽かされる日が来るかも知れない。そうなったら・・・と思うと不安なんだ」
　考えすぎだろと笑い飛ばせないくらい、葉月の顔は真剣だった。
「後ろめたいことが山ほどあるのか」
　葉月はそれを否定しなかった。
　きっと田中先生や椎葉智則は氷山の一角で、もっと色々なことをやってきたんだろう。
「因果応報ってことだろ」
　葉月に傷つけられた人の事を思うと、語尾が強くなる。