
双子姉妹・恋と愛
第1章 相性
広太は、恋が弾いているピアノの横で聴いていた。
恋の演奏が終わると手を叩いて。
「フレデリック・ショパンの「夜想曲第20番・ノクターン」だね。」
「よくご存じで、っていうか有名な曲だもんね。」(笑)
「でも上手いね、聞き惚れた。ボク、恋ちゃんの虜になりそう。」
「虜になってください。」(笑)
恋は、六歳のときからピアノを習っていた。妹の愛も同じである。
成上学園では楽器は一つでも習得しないと卒業できないのであった。
「また何か弾いて聴かせて、恋ちゃん、」
「うぅーん、今度ね、」
「今日はダメなんだ?」
「いっぺんに聴かせると楽しみが無くなるでしょう。小出しにしないとね、」(笑)
「参ったな、次のデートまでお預けか、男を夢中にさせるの上手いね、恋ちゃん、」(笑)
「そういうこと、」(笑)
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