
シュールな関係
第18章 入れない世界 後半
「ねぇ 大和
この子羊の骨付きロースト
食べた? とろけるよっ!」
奈緒が俺を…見つめてる…。
やべぇ…な
マジで…キスしたくなる
「子羊のロースト?
俺… それ…取ってないからさ
奈緒ので食わせてくんない?」
キスが…出来ないなら
奈緒と…関節キスぐらい…って
思うくらいいいだろ?
何気ない顔をして…
ア~ンと口を開けて催促する
「こんなとこで
出来る訳ないでしょ?」
おっ
照れてる?
…な訳ねぇか 人目だよな?
俺ら完全に…浮いてるし…
視線浴びてるし。
「お前な…
お代わり沢山あるんだから
ケチケチするなよ
それに…
この世界のパーティでは
パートナーになら食べさせても
いいんだぜ 知らなかった?」
「えっ…そうなの?」
奈緒が…驚いた顔をする。
「バーカ
そんな訳ないだろ?」
俺は笑って奈緒の手を取り…
差し出しかけたフォークの
ローストをパクリと口に入れ
悪戯っ子のような目つきで笑う。
「大和 最低~!!」
ムクれる奈緒を見るのも…今は
楽しい。
ふっと中央を見ると
雅兄がグラス片手の藤堂財閥
藤堂博文と…
話しているのが見える。
