
シュールな関係
第18章 入れない世界 後半
「悪いが俺はお前と
婚約どころか…
付き合ってもいないんだけど?
悪い冗談はやめてくれ」
「冗談は雅也様の方ですわ
どうしてーーーーー
あの方なのですか?」
あの方?
「・・・・どういう意味だ?」
「言葉の通りです
何故…若菜さまに似られた方と
ご一緒なんですか?」
奈緒のコトを…言ってるんだな
「若菜とは全然…似てない…」
俺は…瑠璃から視線をそらして
外を見つめる
「面影が…
そっくりではございませんか…
若菜さまは治療のため
スイスの病院で静養中で
ございますよね?
それにお二人は…
別れたと聞いております」
「ああ…
もう二度と若菜とは―---」
ため息をつきながら…俺は
気怠そうにジャケットを脱ぎ…
片手でネクタイを緩める
薄暗い窓辺には 外の夜景が
キラキラと幻想的に…輝く
「ずっと…雅也様の事を
お慕い申して…おりました」
瑠璃が
俺の傍により俺の手を…取る
ほら…わたくしの胸がこんなに
ドキドキしていますの」
握った手を…留美の胸の上に
乗せ…強く押し付ける
留美の顔は真っ赤になり…
見えないように
俺の身体に…もたれ掛る
「別れられた若菜さまの面影を
引きずられて…お可哀想に
わたしくしで…
雅也様を…癒させることは
出来ないでしょうか?
わたしくしを抱いて…
忘れて頂けませんか?
俺の緩めたネクタイから
シャツのボタンを外して…いく
