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顧みすれば

第30章 決意

「君が男でないことが残念だよ」


社長は背もたれに寄りかかった。


「社長、それはセクハラというもの」


私が微笑む。


「卯月のビジネスセンスは遺伝か?」


社長がため息をつく。


「しかしな佐々木くん、いや結城さんか。


 さすがにあれほどの事件のあとだ。


 そのまま知らん顔で続けるわけにも

 いくまい。


 報道はされていないが

 うちの社員はもちろん

 業界で知らない会社はないぞ」


社長が腕を組み天井を見上げる。

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