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顧みすれば

第30章 決意

「是非プラント建設に

 参加していただきたいのです」


「しかし...」


社長の表情は渋い


「確かに今回私は

 とても恐ろしい目に遭いました


 生死もさ迷いました。


 あの事を生涯口にすることはないと


 思うほどのことです」


社長は目を伏せ深くうなずいている。


「私を貶めたのはアラブの王子ですが

 命がけで救ってくれたのもまた


 アラブの王子。


 サハド王に至っては王子である我が子に

 極刑の処刑を命じた。


 それが王室にとってどれ程の覚悟であるか


 王室が非を認め王子を処分するなど


 前代未聞」


「だからといって...」


社長の表情は変わらない。

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