
「俺は、男だ!クソ野郎」
第10章 …こんなの俺らしくない
【淳side】
ホストクラブは辞めた。
というより辞めさせられた。
密告(大悟)により、俺が客を襲ったと
オーナーに問い詰められ
あえなく辞めさせられた。
チッ。
もうちょっと、岬と暮らす資金を
集めたかったのに邪魔しやがって。
まだまだ金は足りない。
そして今はモデルの仕事で頑張っている。
あれ以来会ってないから会いたい。
あー、絶対俺のこと怖がっているよな。
だって泣いてたし。
可愛かったからつい歯止めがきかなかった。
あの時少し我慢できていたらと後悔している。
手を出すのが早かった。
でもあれは自ら“食べてください”と
言っているようなものだった。
俺じゃなくても誰でもあれを見たら
襲ってる。
岬と初めてキスした時、
めちゃくちゃ気持ちよかった。
思ってた以上に柔らかかった。
そのまま食ってしまいそうだった。
媚薬はやり過ぎたと反省している。
でも色気がもう半端なかった。
しょうがないくらい、俺は
ずっと小さい頃から岬が好きだ。
たまらなく好きだ。
思春期のお年頃って時も
女なんか目もくれず、ずっと岬一筋。
俺って笑えるほど一途なんだなって思う。
岬と初めて会った時は
それはもう衝撃が走った。
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………。
今から10年前のこと。
