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好きになっちゃだめッ!!

第9章 黒い影

カチャと私の目の前に紅茶が置かれる。


『あ、ありがとうございます』


「で、今日はどのようなご用件でしょうか?」


その奥に優しそうな年輩の女の人が座っている。


『これを見てください…』


白い紙を彼女に渡す。


「…………………!!」


目を見開いて心底驚いているようだった。


「あなた…聖奈ちゃんなのね…」

『はい…知っていますか?』


そう言うと、優しく微笑んだ。


「ここを出ていった子達全員、1人だって忘れないわ」


後頭部を鈍器で殴られたような電撃が走る。


あぁ…私は…本当に…。


『本当の親を………あなたは知っていますか?』


彼女を見つめる。


しかし、その言葉に彼女の顔が曇る。


「ごめんなさい…」



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