
ワタシの履歴
第32章 本音
私は、怖いという気持ちは不思議と余り無かった。
以前に同級生に無理にされそうになった時は、軽く引きこもりをしていた位に人が怖かったけど、その後も男性との経験はあったし、慶太は知らない人じゃなかったからかもしれない。
だから、送って貰うのにも怖くは無かった。
ただ、信頼関係がなくなった事に対しての喪失感や、残念な気持ちが大きく私の心をしめた。
車の中は、会話は無い。
黙って窓の外を見ていた。
そんな私を見て、慶太は空気を読んで何も言わない。
マンションに着き、私は車から降りる。
すると、慶太が私の右手を掴んだ。
「…輝子。明日電話するから。イヤかもしれないけど、これだけは出て。」
「…うん…」
手を掴まれた時ビクっとしたが、慶太が手を放すまで私は振り払ったりはしなかった。
怒りよりも、恐怖よりも、喪失感と残念な気持ちばかりで、でもそんなマイナスな気持ちに支配されたくなくて、諦めの気持ちになっていたのだ。
以前に同級生に無理にされそうになった時は、軽く引きこもりをしていた位に人が怖かったけど、その後も男性との経験はあったし、慶太は知らない人じゃなかったからかもしれない。
だから、送って貰うのにも怖くは無かった。
ただ、信頼関係がなくなった事に対しての喪失感や、残念な気持ちが大きく私の心をしめた。
車の中は、会話は無い。
黙って窓の外を見ていた。
そんな私を見て、慶太は空気を読んで何も言わない。
マンションに着き、私は車から降りる。
すると、慶太が私の右手を掴んだ。
「…輝子。明日電話するから。イヤかもしれないけど、これだけは出て。」
「…うん…」
手を掴まれた時ビクっとしたが、慶太が手を放すまで私は振り払ったりはしなかった。
怒りよりも、恐怖よりも、喪失感と残念な気持ちばかりで、でもそんなマイナスな気持ちに支配されたくなくて、諦めの気持ちになっていたのだ。
