仮彼氏。
第7章 千晴。
「…悔しかった
一番近くにいたのに千晴の苦しみに気づけなくて……
だから私、千晴を守るためにキックボクシング始めたの」
もう二度と、千晴に辛い思いをさせないために…
「…お前すごいな」
「え…」
「普通、友達のためにそこまで出来ないって」
そう言って、向島が微笑んだ
うわ、イケメン…
「おーい!」
「あ、倉内」
やっと戻ってきた倉内が、私たちを見て首をかしげる
「なんかお前ら、さっきまでと雰囲気違くね?」
「そう?」
ちなみに、倉内はこの過去を知らない
女子のいじめは男子の気付かないところでひっそりと、確実に行われているんだ
「プリン買えた?」
「あぁ、ほら」
袋を開け、中からプリンを取り出す倉内
「…プリンよし!
じゃ、行きますかー!!」
荷物は倉内に全部持たせて、私たちは歩き出した
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