テキストサイズ

君模様

第3章 君初



床には絨毯があって、外から見た家のなかにこんな部屋があるなんて思いもしなかった。

壁にはたくさんの写真。
幼稚園の運動会から、中学校の卒業まで。
ちっちゃい鷹島くんもいて、かわいかった。

「鷹島くんってかわいかったんだね」
(今のビジュアル(好青年って感じ)からして、かわいいなんて…萌えポイント多すぎっ!!)
心のなかで大興奮のあたし。

「かわいいって…はじめて言われたよ」
なんて、照れてる君。
そんな君を見てたら、そばにいかずにはいられなくて…

立ち上がり、鷹島くんの隣にちょこんと座り込んだ。
「どーしたの??」
なんて…言っちゃってさ。
(かわいいからだよ)


「好きだよ」
目を見つめて言った。



一瞬君は、照れたでしょう??
一瞬君は、戸惑ったでしょう??
…そんなところも、きっと全部好き。


「好き」
そういって、あたしたちはキスをした。
最初は軽いキスだったけど、どんどん激しく熱くなった。
こんな広い部屋のはじっこで、しゃがみこんでるあたしたち。
想像したらなんか変だけど、これが幸せのかたちだとおもった。


お互い一生懸命に舌をつかい、離れたとき糸が二人を繋いだ。
「…俺…これ以上ヤバイんだけど…」

(なにが…??)
なんて思ったけれど、状況から考えて浮かぶのはひとつだけ。

「…いーよ」
「え…」
「鷹島くんならいーの…でも、一つ聞いてくれる??」
「なに??」

「あたし…はじめてぢゃない…」
あたしたちは高校一年生 。
普通はまだ未体験のはず。
今からでも、早いほうに入る。

でも、あたしは…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ