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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第11章 予約優先だから

しばらくグズグズと泣き続けた音羽。

「……なぁんてね!」

と、涙でグショグショの顔を上げて笑った。


「4月には同じ土俵に上がるんだもん。どんでん返しはまだありそうだし。邪魔はしないけど諦めないよ」

呆然とする姉の手を払い、音羽は笑顔で立ち上がる。


「どんでん返しされないようにせいぜい頑張ってね〜。お幸せに〜♡」

ヒラヒラと手を振ってリビングを出る音羽。


パタン
ドアを閉めた瞬間、その場に泣き崩れた。

震える小さな身体を抱き止めたのは、

「お父さん……」

父親は、白い歯を見せて笑う。


「…っ…あのね…私は、むぅと同じくらい…お姉ちゃんも好き、だよ…っ」

拭っても拭っても止まらない音羽の涙を、父親が優しく何度も拭う。


「そっか。むぅも蘭も、同じ気持ちだと思うぞ」

「…っ…うん……」


泣き笑いの音羽を、つられて泣き笑いした父親がギューッと抱き締めた。


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