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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第11章 予約優先だから

昇降口に裕貴の声が響き渡る。

女子はクスクスと笑いながら、男子は羨ましげとも恨めしげとも言える視線を送りながら、裕貴の横をすり抜けて行く。


裕貴と和佳がくっ付けばいい…

何度かむぅもそう思った。

でも、

「そんな幸せそうにされるとムカつく」

バレンタインに他の男を妬ましく思うのは初めてだ。


むぅは、裕貴を睨みながら靴箱を開けた。

蓋付き靴箱の独特の臭いに混ざって、ほんのりと甘い香りがする。

異様な臭いに慌てて靴箱を覗けば、可愛らしいラッピングが施された箱が3個入っていた。


「ここにだけは入れて欲しくないよな……」

「確かに……なんか、食べる気しないな」


ご愁傷様〜っと言いながら、上靴に履き替える裕貴。

その後ろから来る人物に、

むぅの胸はドキッと大きく高鳴った。


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