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うちのむぅがドSなのか口が悪いのか微妙な件ww

第7章 お前のフォローは俺がしてやる

一年男子の200メートル走が始まる。

(リレーの選手に選ばれるくらい、むぅは走るの得意だからなぁ…)

圧倒的な速さで、勿論1位でゴールするむぅ。


毎年の事で見慣れている筈なのに、蘭はその勇姿にポーッと見惚れていた。

200メートル走は高得点競技の為、むぅの周りにはクラスメイトの男子が集まり喜び合っている。

自分に向ける笑顔とはまた違う…屈託のない笑顔のむぅ。

耳に届くのは自分の心臓の音で、その音に更に心を乱されながら、蘭はただただむぅを見つめていた。


応援席に戻ってきたむぅは、女子の歓声に迎えられる。

困ったような笑顔を返すむぅ。

「むぅ♡」

先ほどのように両手を上げてハイタッチを交わすむぅと和佳。

ホッとしたような笑顔で、むぅは和佳からタオルを受け取る。


(………なんか…苦しい)

自分以外の女子に向けるむぅの笑顔に、蘭の心には黒い感情が広がっていった。

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