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君の瞳に映るもの

第1章 朝から……?

 声を殺すほど、男は激しく指を動かして、その行為を止めてはくれない。

 嫌なのに。

 感じたく、ないのに。

 耳に響くのは、まるで他の女が発したような甘ったるい声と、溢れる蜜を掻き回す、くちゅくちゅという音だけ。

 躯は男の指で奏でられ、指に絡まる蜜は、その粘度を増す。

「やっ……っ」

 声を殺せば息が上がる。

 息を吸い込もうとしたら、殺していたはずの声が零れる。

「その顔、そそるな」

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