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I'll be with you.

第16章 折りたたみ傘

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*未来side*




『亜美。いい加減出てきなさい』



亜美の家の前で開かないドアを何度も叩いた。



『カナが毎日どんな思いで毎日通ってると思ってるのよ』



最近、疲れているカナ。


めまいがしてるのか、フラフラして……


見てるだけであの時の恐怖心が蘇る。






【…カナッ!!しっかり!!もう少しで救急車くるからね…ッ!!…カナッ】






『……亜美だって見たでしょ。

生死をさ迷ってたカナの姿を……』






こんなこと言って、脅してるようで気が引けるけど




言うしかないじゃない……




このままだと本当に倒れるんじゃないかって気が気じゃないのよ……





『……お願いだから出てきて。


カナとちゃんと話して……


カナの気持ちを無視して亜美の気持ちを押し付けないで……』




自傷した跡を見せればカナを思いのままにできるっていう亜美の考えは絶対に間違ってるの。




カナは人形じゃないのよ。





『……亜美』




いつも鍵が締まってるドアノブに触れてドアを引いた。








カチャ……








『開いてる……』




けど……





ガムテープで固定されていた扉と





変な臭いが鼻を突く





その瞬間に、嫌な予感がした



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